台所昆虫G
私はゴキブリが嫌いです。
記憶にある限りでも3回ほど接触をしてしまったことがあり、今でも思い出せてしまうくらい鮮明に嫌な記憶として残っています。
触った瞬間は本当に背筋が凍りついてしまうくらいの嫌悪感を覚えました。
でも不思議なことに、最初の記憶から大嫌いだったんです。
私はいつからゴキブリのことを嫌いになったのでしょうか。
そんなことを時々考えます。そしてその度に、思い出す話があります。
あれは小学生高学年の時でした。
塾で国語の文書読解の問題で読んだ内容です。
子どもは最初にゴキブリを見て興味をもち近づこうとする。それを見た親は、叫び声をあげて止める。
親が示すゴキブリに対する反応を見て、子どもはゴキブリに対する感情を学習していく。
つまり、親が発する価値観による行動により、子どもは親の価値観を受け継ぐ。
その話は親子という例でしたが、大人や社会と置き換えることも可能だと考えています。
私がゴキブリに対して抱く恐怖は、教え込まれた物かもしれない。
何回も嫌悪感を体験する内に、その価値観は強固なものとなっていったのでしょう。
私はきっと、今後もこの感情と共存していくのでしょう。
救いなことは、この感情は社会構成員の大多数と同じ方向だということ。
生活している中で、私のこの思いが否定されることはほとんどありません。
そう。
嫌悪感の矛先が「ゴキブリ」に向いている限りはね。